木造住宅の耐震設計のポイント

木造住宅の耐震設計のポイントについてまとめました。
下図の各項目をクリックすると、それぞれの部位に関する留意点等がご覧頂けます。

*このページは、監修:建設省住宅局木造住宅振興室(当時)・東京大学工学部建築学科坂本研究室/編集・発行:財団法人 日本住宅・木材技術センターのパンフレットから作成しています。

1.地盤

地盤

敷地選定にあたっては、できるだけ良好な地盤が好まれます。
あらかじめ、地盤調査を行って敷地の地盤の状態に応じて、次のようにすることが必要です。

  1. 液状化を起こしやすい地盤に建てる場合
    • 地盤改良を行うか、少なくとも基礎は一体の鉄筋コンクリート造りの布基礎とし、十分な剛性と強度を持たせることが必要です。
  2. 盛り土をした宅地に建てる場合
    • 盛り土は、耐震的に十分な擁壁を設け、盛り土を十分に締め固める等の対策が必要です。

2.建物の形

建物の形

建物の立面および平面の形状は、単純でまとまりの良いものとします。この形は、耐震性だけでなく、耐風性や耐久性の面からも好ましいと言えます。

たとえば

  1. 液状化を起こしやすい地盤に建てる場合
    • 地盤改良を行うか、少なくとも基礎は一体の鉄筋コンクリート造りの布基礎とし、十分な剛性と強度を持たせることが必要です。
  2. 盛り土をした宅地に建てる場合
    • 盛り土は、耐震的に十分な擁壁を設け、盛り土を十分に締め固める等の対策が必要です。

3.耐力壁の配置

耐力壁のバランスが悪いと、地震時に建物がねじれ、大きな変形を生じて壊れる恐れがあります。
建築基準法では、ねじれを防ぐ方法として「耐力壁はつりあい良く配置しなければならない。」としています。

ねじれを防ぐための耐力壁の配置は次のとおりです。

  1. 建物の外周は、耐力壁線で囲まれるようにします。
  2. 上階と下階の耐力壁線は、できるだけ一致させます。
  3. 耐力壁は、建物の外周に設け、特に建物の隅角部に配置します。
  4. 耐力壁は、できるだけ平面的にバランス良く配置します。
  5. 耐力壁は、梁間方向及び桁行方向にもつりあい良く配置します。
  6. 耐力壁は、高い倍率を使って最小枚数にするのではなく、できるだけ小さい倍率の壁を多く配置します。
    ※倍率についてはこちらをご覧ください。
  7. 耐力壁の量は、最小限の必要量よりもできるだけ多くします。

耐力壁のバランスが悪い建物や平面に凹凸がある建物、大きな吹き抜けや一部2階のある建物は、構造的な一体性や偏心についての検討が必要です。

4.建物の重さ

建物を耐震的にするには、建物の重量を軽くすることが有効です。
屋根葺き材、壁及び床等の重量が大きくなると、耐力壁の量や柱の太さ等を増すことが必要になります。

5.基礎

敷地選定にあたっては、できるだけ良好な地盤が好まれます。
あらかじめ、地盤調査を行って敷地の地盤の状態に応じて、次のようにすることが必要です。

  1. 基礎の一体化.......
    • 基礎は1階外壁の下部及び主要な間仕切り壁の直下に設け、全体が連続して一体化した基礎とします。
  2. 基礎の構造.......
    • 基礎は、布基礎、またはベタ基礎とし、一体の鉄筋コンクリート造とします。

6.土台

  1. 土台の樹種.......
    • 土台は耐久性の高いヒノキ、ヒバなどを用いるか、防腐・防蟻処理した木材を使用します。
  2. 土台の緊結.......
    • 土台はアンカーボルトで基礎に緊結します。

7.アンカーボルト

アンカーボルトは、次の図の位置に取り付けます。

  1. 筋かいの上端部が取り付く柱に近接した下部
  2. 合板等の面材を使った体力壁の両端の柱に近接した下部
  3. 土台切れの箇所、土台の継手及び仕口箇所の上木端部
  4. その他は、約2.7m以内の位置

敷地選定にあたっては、できるだけ良好な地盤が好まれます。
あらかじめ、地盤調査を行って敷地の地盤の状態に応じて、次のようにすることが必要です。

  1. 柱の太さ.......
    • 柱は、屋根や床などの荷重を土台や基礎に伝える部材なので、決められた太さ以上のものを使います。
  2. 柱の位置......
    • 柱にかかる荷重は、各々の柱に均等になるように配置し、できるだけ上階の柱は、下階の柱の上にのせます。

筋かいの耐力壁

敷地選定にあたっては、できるだけ良好な地盤が好まれます。
あらかじめ、地盤調査を行って敷地の地盤の状態に応じて、次のようにすることが必要です。

  1. 筋かいの向き.......
    • 筋かいは、向きが異なるものが一対になるように入れます。
  2. 筋かいの接合......
    • 筋かいは、土台・柱・桁又は梁からはずれないように、接合金物でしっかり留めつけます。

合板等の耐力壁

敷地選定にあたっては、できるだけ良好な地盤が好まれます。
あらかじめ、地盤調査を行って敷地の地盤の状態に応じて、次のようにすることが必要です。

  1. 合板等の種類.......
    • 耐力壁に使用する合板等は、構造用合板、パーティクルボード、せっこうボード等の種類があり、JASやJISで品質が決められています。
  2. 合板等の張り方......
    • (1)合板等の面材は、柱・間柱・土台・桁等に決められた釘と間隔で直接打ち付けます。
    • (2)合板等の面材は、耐力壁を構成する軸組部分全体にわたって張りつめ、張り残しのないようにします。

床・屋根

敷地選定にあたっては、できるだけ良好な地盤が好まれます。
あらかじめ、地盤調査を行って敷地の地盤の状態に応じて、次のようにすることが必要です。

  1. 床面を固める.......
    • (1)床組の隅角部には、火打ち材を入れて床面がゆがまないようにします。
    • (2)床下地板として構造用合板等を張ると床構面を固めるのに大きな効果があります。
  2. 屋根面を固める......
    • (1)小屋組に振れ止めを設け、小屋梁面の隅角部には火打ち材を入れて全体がゆがまないようにします。
    • (2)屋根下地板として構造用合板等を張ると、屋根構面を固めるのに大きな効果があります。

防腐・防蟻

構造材の腐れや白蟻の被害は、耐久性ばかりでなく、地震時の被害が大きくなる恐れがありますので、次のような措置を行います。

  1. 床下換気口は5m以内に設け、その大きさは300平方cmにするなど、床下が湿潤状態にならないようにします。
  2. 土台には、耐久性の高いヒノキ・ヒバなどを用いるか、防腐・防蟻処理した木材を使用します。
  3. )土台及び床組は、基礎のせいを高くして、地盤からの吸湿を防ぎます。
  4. 構造耐力上主要な部分である土台・柱・筋かい等で、地盤面からの高さが1m以内の部分には、防腐・防蟻処理を施します。
  5. 小屋裏の換気のために、有効な小屋裏換気口を設けます。
  6. 浴室の壁やモルタル塗りの外壁等は、水分が壁の内部に入ると乾燥が非常に遅くなりますので、壁は、内部の換気が十分に行えるようにします。
  7. 地域によっては防蟻材で土壌処理を行うか、布基礎と一体となったベタ基礎等をつくって、地中からの白蟻の侵入を防ぎます。